詩/森に潜むもの
詩/森に潜むもの
森に潜むものの水源を
知るだろうか
脈々と流れ続ける
澄んだ流水は 命の水ともなり
我が胸に流れゆる
胸の奥が森の中と
言われるのかと
問うならば
誰もが森の木々の傍らを
秘かに流れし水脈を
持っていることだろう
忘れかけた記憶の中で
命の水源となって
言葉を持たない流水が
潜んでいる
差し出した手のひらには
微かに示された心が
秘かに吸い付いてくるだろう
差し出されるはずの
片手がありさえすれば
示された心が
秘かに吸い付いてくるだろう
そうして ずっと
森の奥に潜みながら
隠されている粒子が
埋もれていることだろう
胸の奥に潜むものの中に
脈々と歳月が流れるように
命の水源は
潜んでいることだろう
言葉のない命の水源となって
我が胸の奥に潜むものとして
森の木々は言うだろう
微かな声にすらならぬものが
潜むことがあると
森に潜むものの水源を
知るだろうか
その水流の中には
隠されている声の粒子が
命の水源となって
誰もが知らない森の奥深く
脈々と流れゆると
命の水源の声となって
言葉を持たない流水となって
澄んだ流水となって
それらは森の木々の壁に
秘かに隠されながら
誰もが知らない森の奥で
この我が胸の奥に潜んでいる
誰もが知らない森の奥に
秘めやかに潜むものとして
秘めやかに潜むものとして
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