詩/紅い樹の約束
詩/紅い樹の約束
いつだったのか
遥か ずっと昔の出来事だった
無意識という出来事が
小さなポエムの言葉だけ残して
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【 森の木々が
私に声をかける
『 いつか ゆっくりと
紅い樹の下で語り合おうか 』
野鳥は静かに
その会話を聞いていた
『 森にも秋が訪れています
紅い樹の下で
約束通り語り合いましょうか 』
森の小さな約束という出来事 】
《 森の物語/森の詩 》の一文から
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小さな小さな約束だった
忘れかけるような約束の話を
小さなポエムにして
無意識の中のものが
隠されるように
貴方は再び出逢ったとき
私は小さな約束すら
意識の向こう側にあって
けれども 小さな言葉だけが
残されていたとき
貴方は秘かに教えてくれて
紅い樹の下での約束は
確かにしたんだよと告げる
小さな幼い頃の言葉だけが
映し絵となって残されていたとき
貴方と出逢ったことは
偶然でもなく
貴方自身が連れてきた奇跡だと
そっと語りかけるように
貴方が全てを教えてくれたのは
優しさだったと知る
貴方と私が再び出逢い
恋しあったのは
貴方が連れてきた奇跡
ありえない 小さな約束を
貴方は秘かに大切にして
持っていてくれたのだと
二人が愛し合うことは
決められたものであったと
そう思うことがある
もう一度 あらためて
私から告げよう
【 紅い樹の下で
約束通り語り合いましょうか 】
恋する貴方への約束を
遥か前の幼少期の思い出である、小さな約束事です。
私には忘れかけた、無意識という出来事だったはずであるのに、それらの約束の言葉だけが残されていました。
二人が再会したのは、私が大人になってからのことです。
私との小さな約束を、その人は大切にして覚えていてくれました。
私の中の無意識という向こう側に、秘かに言葉だけ居残るようにあった、二人だけの小さな小さな約束を。
そんな小さな約束事が、小さな奇跡を連れてきてくれました。
『 いつか ゆっくりと
紅い樹の下で語り合おうか。』
『 うん。必ず、紅い樹の下で
約束通り語り合おうね。』
そんな小さな頃の、小さな約束。
それが小さな奇跡を生み出して、大きな約束を持ってきてくれたのです。
新たな約束事という、大きな幸せすらも。そこに。
思いださせてくれてありがとう。
ずっと小さな約束を大切に持っていてくれたことに、ありがとうという想いを込めて。
【 鏡乃 琴禰 】
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